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京都大学再生医科学研究所 (工学研究科高分子化学専攻協力講座)

組織修復材料学分野

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当研究室の研究

当研究室では,病気や怪我の治療に役立つ人工材料を創り出すための研究を行っています。 それらの材料は人体の中で機能したり,体外での細胞操作・分析に効力を発揮するなど,その目的と機能は様々です。 当研究分野ではおもに,高分子を中心とする有機材料や, 細胞や生体分子を制御・分析するための様々な技術を駆使することによって,それらの研究を進めています。 このような研究を通じて,再生医療や低侵襲手術のような高度先進医療に貢献したいと考えています。

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材料-生体システム間相互作用の解析

血液中のバイオマーカーを迅速・高感度計測するための装置

体内に人工材料を埋込むと異物を排除しようと様々な生体反応が起こります。 人工血管や人工心臓などを体内で長期間機能させるには, これらの生体反応を深く理解しコントロールする必要があります。 当研究室では,様々な分析手法を用いて人工材料表面で生体反応が起こる仕組みを調べています。1) また,病気の判定基準となる血液中のバイオマーカーを高感度で検出できる装置を開発し, 患者のそばですぐに結果を出せる検査システムの確立を目指しています。

1) Murakami, T.; Arima, Y.; Toda, M.; Takiguchi, H.; Iwata, H. Anal. Biochem. 2012, 421, 632-639.

細胞表面修飾とその応用

両親媒性高分子薄膜による細胞の被覆

細胞移植による膵臓や中枢神経の再生医療に大きな期待が寄せられています。 しかし,移植された細胞の機能を高く維持するには, 細胞がレシピエントの生体防御機構からの攻撃に打ち勝たなければなりません。 これには両親媒性高分子からなる薄膜によって細胞を被覆する方法が有効であることを示してきました(図2)。 また,細胞の表面修飾技術を応用すれば,細胞間の接着を引き起こすことが可能です。 この技術を利用することで,ES細胞やiPS細胞の分化誘導について調べることができ, 再生医療への新しい知見を得ることが期待できます。

ES細胞/iPS細胞の凍結保存技術の確立

ES細胞やiPS細胞を利用した再生医療を確立するには,安定した細胞供給が必要になります。 当研究分野では,細胞の生存率を高く維持しながら凍結保存することに成功し, その技術の実用化に向けて研究を進めています。

血管内手術用具の開発

(A)コイル塞栓術および(B)カバードステント留置術の模式図.

患者への負担の大きい外科的治療に対して, カテーテルを血管内に挿入して動脈瘤などを治療する方法(血管内治療)が注目されています。 動脈瘤に詰め物をしてしまうコイル塞栓術と血管の正しい流れを確保するカバードステント留置術の二つの方法で, 多様な形状をもつ動脈瘤の破裂を未然に防ぐデバイスを開発しています。 これには,血液や血管表面と材料との相互作用や, 材料の力学的・化学的性質を考慮したデバイス設計が求められます。

中枢神経の再生医療に向けた機能材料の設計

キメラ蛋白質を構成要素とするデバイスおよび機能材料の設計

中枢神経疾患の一つであるパーキンソン病を,細胞移植によって治療する試みがなされています。 しかし,そのような治療法を普及させるには,移植細胞源となる神経幹細胞の大量確保や, 移植細胞の生着率向上を可能にする技術が確立されなくてはなりません。 当研究分野では,大量の移植細胞を効率よく調製するための細胞培養デバイスの設計を行うとともに, 移植細胞を保護するための蛋白質性材料の開発に取り組んでいます。 これらの機能材料の構成要素には,合理的にデザインされた人工蛋白質が有用です。

細胞チップ分析技術の確立

細胞チップによる蛋白質性材料のハイスループット機能アッセイの一例

多種類の生体分子の機能を迅速に分析するための細胞チップの開発を行っています。 アルカンチオール自己組織化単分子膜のマイクロパターンをもつ基板材料を利用して多種類のDNA,RNA,蛋白質など配列固定し, それらを同時に細胞に作用させることで,固定された分子の生物学的機能を並列分析することが可能です。 細胞チップ分析法は,生物学研究のみならず, 再生医療,医薬品開発,臨床検査などの様々な分野に大きなインパクトを与えるものと期待しています。