小型魚類を用いた血管、軟骨形成に関する研究

 発生過程においては、血管新生抑制因子と血管新生促進因子の発現が、時間的、空間的に制御され、血管化される領域と無血管な領域が決定されて血管形成が行われると考えられる。哺乳類においては、血管形成過程は胎内で進行するため観察が困難であるが、魚類は、卵生であるため体外で発生が進行し、胚が透明なため発生過程の経時的観察が可能である。また魚類は哺乳類に比べて発生が早く、多くの胚を迅速に操作できるなどの利点を持つ。そこで我々は、血管及び軟骨の形成過程について魚類胚を用いて研究を行っている。

 これまでに、ゼブラフィッシュにおいてChondromodulin-Iは、脊索、耳胞の周囲、頭蓋顔面軟骨、胸鰭に発現し、また、母性RNAとしても発現することを示した(Mech. Dev.105 (2001) 157-162)。現在特に、血管新生抑制因子の発生過程における役割を解明することを目指して研究を行っている。

 魚類の頭蓋及び顔面部の骨格は、発生過程に軟骨が形成され、それらの一部は骨に置き換わる、いわゆる内軟骨性骨化様の形成過程を経る。しかしながら、魚類における軟骨分化や骨化のメカニズムやそれに関わる細胞や分子についてまだ明らかでない点が多い。我々は特に、Chondromodulin-I及びIIに注目し、その役割を明らかにすること、及び、細胞組織学的な解析を通して、魚類の頭蓋顔面部における骨格形成機構を明らかにすることをめざしている。