開 祐司(教授・理学博士)

立体区別触媒の研究:修飾ラネーニッケル触媒表面の吸着修飾剤の定量と反応速度、光学収率の比較研究を行なった。反応の律速段階と区別段階が独立なこと、さらにこれを支配する物理化学的要因のいくつかを明らかにした。・大阪大学理学部(昭和49年4月〜昭和50年3月)
イオウ化合物を用いる有機合成反応の開発:スルホキシド-トリフロロ酢酸無水物を用いて、種々の特異的メチルチオメチル化反応を開発して、その反応機構を明らかにした。・京都大学理学部(昭和50年4月〜昭和52年3月)
蛋白質中のアミノ酸残基の機能に関する研究:競争アシル化反応の系統的解析から水溶媒系でアルキル-フェニル基間に特異的相互作用が存在することを示した。・大阪大学蛋白質研究所(昭和52年4月〜昭和56年3月)
軟骨細胞の増殖分化に関する研究:軟骨細胞が産生する成長因子の抽出精製を行なった。さらに軟骨細胞培養系を用いて増殖分化を制御するホルモン及び各種成長因子の作用とその作用機序を明らかにした。・大阪大学歯学部(昭和56年4月〜昭和61年3月)
副甲状腺ホルモン(PTH)受容体の研究:放射性同位体標識フォトアフィニティー合成PTHアナローグの設計・合成をおこなった。さらに、これを用いてフォトアフィニティーラベリングの手法によってPTH受容体蛋白の同定とその構造的特徴を明らかにした。・Massachusetts General Hospital & Harvard Medical School(昭和61年4月〜昭和62年6月)
グルコース輸送体(GT)遺伝子の発現調節に関する研究:GT遺伝子の発現が、種々の成長因子や発癌プロモーターにより転写レベルで制御されていることを明らかにし、この遺伝子がimmediate early geneであることを証明した。さらに発癌遺伝子の活性化によるGT遺伝子の転写誘導がCキナーゼの活性化によらないシグナル経路を介することを明らかにした。・Harvard Medical School(昭和62年7月〜平成元年3月)
軟骨細胞におけるグルコース及び硫酸イオン輸送に関する研究:軟骨細胞は大量の硫酸化ムコ多糖を産生するので、糖及び硫酸イオン輸送システムが細胞分化機能発現維持に重要な役割を担っている。現在、軟骨分化におけるグルコーストランスポーター、硫酸トランスポーターの生理機能に関する研究を行っている。大阪大学歯学部・京都大学再生医科学研究所(平成元年4月〜現在に至る)
軟骨由来細胞増殖制御因子の構造決定と作用機構に関する研究:成長軟骨細胞培養系を用いた軟骨増殖及び分化機構の研究を発展させ、軟骨特異的な増殖制御因子(Chondromodulin-I, -II)の完全精製を行なった。さらに世界に先駆けて、その分子クローニングに成功した。また、Chondromodulin-Iが、軟骨組織に存在するとされる血管内皮細胞増殖阻害因子の本体であることを明らかにした。・大阪大学歯学部・京都大学再生医科学研究所(平成元年4月〜現在に至る)